「後でやる」は「やらない」と同じ? 先延ばしを防ぐ学習習慣とは

2025年2月4日

はじめに

医学部受験は長期間にわたる勉強が必要ですが、「後でやろう」と思ったまま放置してしまうことが多いのではないでしょうか? しかし、後回しにすることで理解が追いつかず、試験直前に焦る原因になってしまいます。本記事では、先延ばしを防ぎ、すぐに取り組める学習習慣を身につける方法を紹介します。

1. 先延ばしがもたらすリスクを理解する

「後でやる」と決めたことは、結局やらないままになることが多いです。その理由は、人間の脳が目の前の快楽を優先する傾向があり、面倒なことや負担を感じる作業を避けようとするためです。また、「後でやる」と考えることで一時的に安心感を得られ、実際には行動に移さず終わってしまうことが多くなります。さらに、学習の遅れが積み重なると、次第にやる気を失い、モチベーションが下がる悪循環に陥る可能性があります。

  • 短期的快楽を優先する:スマホやゲームの誘惑に負けやすい
  • タスクの負担が大きく感じられる:やるべきことが多く、億劫に感じる
  • 完璧主義の罠にはまる:「完璧に理解しないと進めない」と思い込む

こうした心理を理解することで、対策を立てやすくなります。

2. 先延ばしを防ぐ具体的な方法

ここでは、先延ばしを防ぎ、すぐに行動に移せるようになるための具体的な方法を紹介します。小さな行動を積み重ねることで、学習習慣を改善し、効果的に知識を定着させましょう。

(1) 5分ルールを活用する

「とりあえず5分だけやる」と決めることで、学習のハードルを下げましょう。5分経つと、意外とそのまま続けられることが多いです。もし5分もできなければ、1分や30秒でも構いません。とにかく手をつけることで、学習への心理的な壁を低くし、習慣化につなげることが大切です。

(2) 「今すぐやる」習慣を作る

わからないことが出たときに迷わず行動できるよう、あらかじめ対処法を決めておきましょう。例えば、「わからない単語は辞書で調べる」「問題が解けなかったら解説を読む」「それでも解決しなければ先生や友達に質問する」など、自分なりのルールを設定することで、スムーズに学習を進められるようになります。

  • わからないことが出たら、その場で教科書やノートを見直す
  • すぐに調べられない場合はメモを取り、後で必ず見返す
  • 小さな目標を決めて、達成感を得る(例:「10分間だけ問題を解く」)

(3) タスクを細分化する

「問題集を1冊やる」ではなく、「1ページだけ解く」「3問だけ解く」といった小さな目標を立てることで、心理的負担を軽減できます。これが大事なポイントです。大きな問題を一気に解決するのは難しいですが、小さな課題は小さな労力でクリアできます。その積み重ねが、結果的に大きな学習の進展につながります。

具体例として、以下のような工夫が考えられます。

  • 英単語学習:1日に50個覚えるのではなく、5個ずつ短時間で確認する。
  • 数学の演習:1セット10問を一度に解くのではなく、まず3問だけ取り組んでみる。
  • 暗記科目:教科書1章丸ごとではなく、まずは1節だけを徹底的に理解する。
  • 読解問題:1記事全て読もうとせず、まずは最初の段落だけ要約してみる。

無理のない範囲で、少しずつ着実に取り組むことで、モチベーションを維持しやすくなり、継続的な学習習慣を築くことができます。

(4) 環境を整える

スマホを遠ざける、勉強しやすいスペースを確保するなど、学習に集中しやすい環境を作ることも重要です。

具体的には、以下のような工夫が効果的です。

  • スマホを別の部屋に置く:勉強中に通知が気にならないようにする。
  • 机の上を整理する:必要なものだけを置き、余計なものを片付ける。
  • 静かな場所を選ぶ:騒音の少ない環境で学習する。
  • 適度な明るさを確保する:目に優しい照明で集中力を高める。
  • 勉強専用スペースを作る:ベッドやリラックススペースではなく、机に向かう習慣をつける。
  • 快適な椅子を使う:長時間の勉強でも疲れにくい姿勢を維持できるようにする。

このように、物理的な環境を整えることで、学習の効率を高めることができます。

(5) 1日の終わりに振り返る

「今日はどんなことを学んだか」「わからないことは解決できたか」を振り返る習慣をつけると、先延ばしを防ぎやすくなります。また、翌日のスケジュールを立てることで、学習の優先順位が明確になり、モチベーションも向上します。例えば、「明日は数学の問題集を10ページ進める」「苦手な英単語を20個復習する」といった具体的な計画を立てることで、勉強に対する意識が高まり、実行しやすくなります。

3. 習慣化するための工夫

学習習慣を身につけるには、継続する仕組みを作ることが大切です。ここでは、楽しく効果的に続けるための工夫を紹介します。先延ばしを防ぐだけでなく、学習そのものを前向きに捉えられるようになることを目指しましょう。

  • 「やったことリスト」を作る:達成感を得るために、解決した疑問を記録する
  • ご褒美を設定する:「〇〇を終えたらお菓子を食べる」など、小さな報酬を設ける
  • 友達と共有する:「今日解決した疑問」を友達と共有することでモチベーションを上げる

おわりに

「後でやろう」は「一生やらない」につながる可能性があります。なぜなら、人間はやるべきことを後回しにするほど、心理的なハードルが上がり、ますます手をつけにくくなるからです。先延ばしが習慣化すると、「今さらやっても遅い」と諦めの気持ちが生まれ、学習の機会を失ってしまいます。

しかし、その流れを断ち切るためには、まずは小さなことから始めるのが効果的です。たとえば、1分だけ問題を解いてみる、単語をひとつ覚えてみる、といった簡単な行動でも十分です。大事なのは、「やる」ことに対する抵抗を減らし、少しずつ継続できる環境を作ることです。毎日の習慣として定着すれば、学習の負担は大幅に軽減され、結果的により効率よく知識を蓄積できるようになります。今日から「今すぐやる」を意識し、小さな行動を積み重ねていきましょう。